誰を、どこで、誰が、 撮るか・・それだけが写真なんだろうか。
撮影会は毎回新しい場所での撮影を売り出す。
東京、新宿、横浜、鎌倉、京都、沖縄、北海道。
旅行代理店のようだが、このロケ地というのも大きな特徴。
つまり、差となる。
撮影する側の機材、カメラやレンズ、照明機材なども差。
そして撮影技術、方法などのテクニックも差。
加えてモデル側にも、ファッションセンスやメイク、それにポージング。何より大事なのは「きちんと可愛い、綺麗」かどうか。
これも差。
この差、時として好みとも言う。
この組み合わせで写真をつくるのかというと、まだ少し足りない。
天気、時間などの環境条件の差。
もちろんこれもある。
大事なこと。
目の前のモデルとの対話。
「今朝は何を食べたの?」なんて話じゃなくて。撮影のための段取り、業界的に言うとプリプロ。
ここで言いたいのは数ヶ月、数週間前からの事前の準備ということではなく、実際の撮影当日、眼前に対峙して、その瞬間の刹那のこと。
とても大事なことなんじゃないかと思い、その一瞬をフィーチャーした企画をつくりました。
いつもの撮影時間に加えて、プラス30秒間さしあげます。
しかし、この30秒間は撮影してはいけません。
その後の撮影に影響する対話に用いて欲しいのです。
30秒じゃ何も・・
ではなく、「30秒で実現させられること、方法」を考案ください。
実際にリクエストには贅肉がついた状態のものが多くあります。
不要な部分を削ぎ落とすことで、伝わりやすい明確なものへと変化します。これもひとつのクリエイティビティではないでしょうか。
考えていることを伝え、それを実現させたうえで、撮影する。
これは写真にとって大きな差になると思います。
おまかせで撮影するスタイルの否定ではありません。もちろんそれも素晴らしいこと。
しかし撮影会は、撮るぞ!撮られるぞ!の場。
より良いものを狙っていくことは悪いことじゃなく、むしろ望むべきものだと思いました。
通常の撮影会、ストロボのトリガー交換などでロスしている時間をこれに充当させます。細かな段取りは主催におまかせを。
その時間を撮影のための30秒にお役立てください。
より良い一枚を得るために。
そんな企画をつくりました。
うずらフォトが標榜する撮影会の姿、ご理解いただけましたら幸いです。
おしまい。