撮影、それがすでに非日常空間であること
何の変哲もない町を行けば、と書けば嘘になる。積み重ねられた時間と、根付いた営みがある。撮り手の数だけ生活があり、特別な喜びや悲しみを経てきた、いわゆる人生がある。その背景をもってして町を行けば、数々の感傷に触れられる。それを一個のモデルを配置して表現するお作法もポートレート撮影の醍醐味のひとつじゃないかと日々考える。朴訥とした風景にこそ、共感を得られる素養が眠っており、風化していく景色に言い知れない情感を得られる。
眼前に美少女がいる。それだけでも非日常に過ぎる瞬間。さらにそこへ行楽やデートに見立てた旅が加わるだけで贅沢すぎる撮影環境が仕上がる。これもポートレートの醍醐味。
平凡な日常が有意義となるカメラマンという暮らし
カメラマンとなった途端、普段、日常のそれらの意味が少し変わる。知らない町に興味を抱きはじめ、好奇心を満たすだけが旅の目的ではなくなる。一般的に観光地とされる場所以外にも、写真にしたい場所が無限に広がることの可能性は筆舌に尽くしがたい財産に違いない。
被写体の魅力は得てして世間のそれはルックスであり、肢体の整ったさまを指す。一概には言えないものの、ポートレートを嗜好する人々にとっては、写真は自身を投影したものといった捉え方も間違ってはいないはず。僕なりのエレジーとはそんなものを象っているかも、と年末にして思い返してみた。
撮影の作法、照明の型、人心を掌握する必要性
写真を撮るにあたってのお作法はたくさん。人物を撮る以上、その人物が美しいとされるためのルールもある。照明についてもたくさんの型がある。それらを窮屈なものと捉えるか、先人の知恵と考えるかは、撮影者の判断に委ねることになる。
では撮られる側の、その当人の意思としてはどうだろうか。
- 美しく撮ってもらいたい
- 可愛く撮って欲しい
- カッコいいのが良い
- エロが一番!
- 面白くなきゃつまんない
...などなど、さまざまなニーズがあるはず。リクエストにのるも良し、被写体の了承を得て希望以外のものを撮るも良し、作風に魅了させ自分の世界に没頭してもらうのも良し。カメラマンにはその自由も持ちえていると同時に結果として生み出される写真が、被写体をそして撮影者、閲覧者たちを幸せにすることも可能だ。大げさなモノ言いながらも。
重要なのは手続きであり、相手も自分と同様の人間であるということ。世間や労働のそれらと何ら変わらない川が流れている。これに気づいた瞬間から、僕は写真が変わったと考える。
撮影会を企画する以上、気楽にかつ上々な写真、仕上がりを持ち帰ってもらいたいと常々頭を悩ませる。写真教室に通い技術を研鑚し続ける人や、自己の探求として写真を深め彷徨いながら一枚にこめる人、、、すべての人の期待に応えられるなどと、のぼせ上がってはいないのでご安心を(苦笑)
色恋抜きで撮影会やってます
写真をやりたい人の交差点でありたい
ひとつの指針として、現在うずらフォトがこれまでの経過の果てに到達した現地点、暗い写真やストロボを使ってのライティング写真、クールでカッコいい写真。これらのニーズにプラスして、2015年は遠征やロケを繰り返すことができた。(ひとえに参加者さまたちのおかげであり、とても勉強になった、何物にも替え難い時間を得ることができた。本当にありがとうございます。)この経験をもとに原点回帰を行い、さらなる深化を突き詰めようと、新しい企画を練っている現在、そんなことを考えています。
撮影会に対しての向き合い方や印象は人それぞれではあるが、うずらフォト的には明確な指針として撮ったあとのことを模索して行きたい。今年少しばかりWordPressを引き合いに出した。来年度もさらにそれを進めていく。のみならず、いろいろなこと、これまでに無かったことを欲張りながら淡々と参りたく思います。
うずらフォトが開催されても、開催されなくても、僕はいわゆるうずらテイストの写真を日々重ねています。このことで気づいたことがあれば、みなさんのお役立ちとして情報を発信できればいいなと改めて思います。この撮影会の企画は、そんなチームの表現の場であり、それらをカメラマンたちに昇華していただくための大切な場所です。来年もひとつよろしくお願いいたします。
と、年末のご挨拶をしかけますが2015年のフィナーレはイベントで。
http://photo.uzra.jp/event/2015/12/30_2015_final_yuusyanokai.php
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「最後は告知かよ!」ですが、はい、僕はそういう立ち位置・稼業の人なのでご容赦ください♡