今回はお手軽レタッチ、LightroomとPhotoshopを使って実際にやってみた様子を段を追ってチェックしていただきます。
実はダークでシャドウな雰囲気の写真ほどサクッと現像・レタッチが完成しやすく、一見してナチュラル仕上げのシンプルな写真ほど手間も時間も掛かったりするものです。お化粧と同じですね。
ちなみにモバイル版のLightroomではRAWでの撮影も可能となり、ますます写真を仕上げる現像スキルが大事になってきました。伸るか反るかはみなさまご自身次第です。
撮影したまんまのデータから
まずは順を追って。
オリジナルがこちら。極めて眠い状態に仕上がっております。
モデル:星野くるみ / ロケ地:渋谷
渋谷ということもあって往来も多く、周辺や店舗などへの迷惑も考慮してパパっと撮影して立ち退く。
ストロボを使う手もありますが、(繁華街だし迷惑も考えて)あとからの加工で済ませることは自宅を出るときから事前に決めていました。
なので現場では仕上がりよりも、欲しい絵を一刻もはやく入手して、とっとと離脱することを第一に考えて進行。
素材だけお持ち帰り的な感覚でパシャパシャ。
レタッチありきの頭で失敗も恐れず、とにかくササッと撮ってきちゃおうということがテーマでした。
人物、それも顔のあたりが暗く、全体的にも眠い感じですがデジタルデータ的にはローキー寄りなほうがレタッチ相性も良いので、ちょっと暗めに撮ることが多いです。
ベテラン選手の星野くるみちゃんの場合は仕上がり写真を想像できるので不安もありませんが、やはり普通なら暗めの写真なら「あれ、失敗してないのかな」と不安を抱かせてしまいがち。
そんなケースがありそうな場合、イメージを捉えてもらうために液晶の輝度を少しあげちゃえば解決??
では本題に戻ります。
Lightroomに取り込んで下処理
帰宅後、まずはLightroomにデータをインポート。
まずはレンズ補正、そして以下の処理、サクッと現像
- 画像を回転させて水平レベルを調整
- シャドウを減らし(+20)
- かすみ除去をプラス(+20)
- オレンジ色の輝度を若干プラス(+10)
- 人物以外の部分に補正ブラシで部分的に若干の明瞭度プラス(+5~8程度)
だいたいこんな具合、感覚で大胆にやっちゃうのがコツ。微細な調整は後ほど・・
時短のためにグラフで直接操作
僕の場合は感覚的に操作します。ヒストグラム側での操作をちゃっちゃと終わらせちゃうことのほうが多いです。(Photoshopの場合はトーンカーブ、破綻ない各所が良い塩梅で相対的な仕上がりが得られます)
↑
現像モジュールに切り替えてから、マウスをグラフに乗せると「あら、不思議」。感覚的に基本的な要素をマウスで操作できるようになります。
ちょっと静止画では伝え辛い、この辺は実際に触ってみてください。
- ひとつの設定をにらめっこするのではなく、いくつかのパターンから選ぶように決めると楽
- パラメータは大きく振ってみましょう、ひらめきを生むためのトリガーを引きます
- イメージ的には男の料理とお考えください、ダイナミックに
肌を明るくするために
あと肌色を持ち上げるのは、色補正を活用します。ここでは肌色に影響するオレンジ色を選択して、、輝度をプラス方向へ。
周辺に同じオレンジ色に支配される箇所がある場合は、そちらも同時に変化してしまいますが、OKそうな場合はガンガン活用します。
- 肌は女性の命、大事に扱ってください
- 明瞭度アゲアゲで肌がボロボロというのは絶対NG
- スキンケアに掛かる手間と投資を理解できる男はカッコいい!
写真をはじめた頃は、これで終わっていたわけですが、Adobeさんが「見たままではなく、感じたまま」になんて言うものですから、もう一手間を加えるようになりました。
部分的なちょびっとだけの補正ですのでPhotoshopに一旦バトンタッチ。
とは言ってもLightroomからだとシームレスにファイルの受け渡しが可。AdobeソフトからAdobeソフトへの汎用性は高まるばかり。最高!
おそらくPS最活用ツール、覆い焼きツールで
たぶん僕が一番PSで活用している覆い焼きツール。これを利用して、顔とか背景各所の気になる部分を補正。若干明るく。
サイズは任意ですが、効き目ともいえる露光量部分はおおよそ一桁。だいたい3%~8%くらいで利用することが多いです。
- メリハリ、色の抜けを支えてやる、覆い焼きで目が止まりやすい箇所のディティールUP
- 人物、顔部分は繊細に明るさをプラス(やり過ぎ注意、顔面が光ってしまいますw)
- 汚れは程よくスポンジツールでダメージをプラス(やり過ぎ注意)
これを仕上げた頃が、ちょうど自分のなかでの折り返し地点。今はもっとナチュラル寄りになっている・・・はず。はず。500pxは時系列で並ぶので、その辺もちょっとチェックしてみてくださいませ。
処理が終わってPSからファイルを保存すると、Lightroomのカタログに自動的にPSで触った画像データが追加。便利ですね(*˘︶˘*).。.:*♡
そして最後、僕は周辺減光が大好きなのでLightroom側で少しだけ味付け。
↑
この適用量って部分を操作してみてください。周辺減光で良い塩梅に。
これくらいの流れのみなら、3分くらいあれば十分いけます。よほど背景を加工したりしない限り、これ系の写真はだいたい数分です。
最後に並べて比較
左から「オリジナル」 → 「調整」 → 「仕上げ」の順番で並んでいます。
どのソフトが良いか、
なーんて話よりも、結局は人次第
人のやり方を見たり、書籍を参考にしたりするとレタッチってあれこれソフトを使い分けてみたくなったり、そのソフトの性能が気になったりしちゃいますよね。
でも実際はソフトは道具でしかなく、どのソフトも過程は同じ、演出効果の量を決めるのは操作している人。
この操作している人のスペックに掛かっています。
トーンカーブのすすめ!
途中でも話題にあがりましたが、トーンカーブの理解はハイライトにシャドウ、ホワイトレベル、ブラックレベルほか各パラメータの関連性を視認できる良い教材でもあります。
わかっちゃいるけど苦手だなーって人、ここめっちゃ重要です。
レタッチ技術はもちろんですが、なんと写真を撮る側の目を養う意味で。ストロボなんかを使う際も、光が論理的に正解となっている状態を作ることで違和感を減らすことができます。
便利そうなトーンカーブをまとめたページをいくつかまとめてみました。
トーンカーブを理解するのに便利なページまとめ
以下にいくつかまとめました、スクリーンショットをクリックすると該当ページへアクセスできます。ぜひ活用ください。
※画像クリックで目的のページにアクセスできます
トーンカーブの基礎の基礎。写真の明るさ補正でも、こんなに違う。
http://www.mayoinu.com/entry/2015/11/09/200000
Photoshopのトーンカーブをなんとなく使っていませんか?改めて基礎や活用方法について学ぼう
https://ferret-plus.com/4050
なんとなくPhotoshop使ってる方のための基礎講座
https://blogs.adobe.com/creativestation/photoshop-cc-basic-on-ccdojo
写真の色を見た目どおりに補正するカラーコレクションの実践手順ガイド
時短テクニック!
トーンカーブ、実はこれもプリセットを利用して時短できちゃうんです!!
- トーンカーブファイルをネットでダウンロード
- ダウンロードしたファイルを、所定の位置に格納
- Photoshopでトーンカーブファイルを読み込む
これでOK。とっても簡単で活用方法は無限大の時短テクニック。Lightroomのプリセットと似たような感覚ですが、柔軟性という意味ではこちらに軍配が上がります。
参考までにこちらのサイトも。
プロカメラマン仕様のPhotoshopのトーンカーブのまとめ -写真画像の自然光とカラーを美しく印象的に仕上げる
http://coliss.com/articles/build-websites/operation/design/photoshop-curves-by-juliatrotti.html?scid=social60373446&adbid=1104810482894374&adbpl=fb&adbpr=363420343700062
知れば知るほど不安が募る...そんな人は
ちょっと自身がないなってときは、撮られた本人が嫌がらない仕上がり。撮影者側の欲をいったん引っ込めて、まっすぐ素直に良い表情の写真であることのみを目的として仕上げてみてください。
良い写真というか、売れる写真を基準値として設定してみるのもいかがでしょう。「正解はない」なんて誤魔化されてしまうケースもありますが、目的によってはルールは明確です。
[amazonjs asin="4768305261" locale="JP" title="売れる写真の撮り方ルールブック (玄光社MOOK)"]「売るために撮ってるんじゃない!」と思われる方もいらっしゃるかもですが、そうじゃありません。売るためのルールを知っておくことは決して損ではありませんよね、というご提案です。
ご紹介ついでにもう一冊。いま一番楽しみにしていたりする書籍のひとつです。
[amazonjs asin="4844366424" locale="JP" title="人物写真補正の教科書 Photoshopレタッチ・プロの仕事"]Photoshopによる人物写真の補正の基本と実践レベルをトータルで解説。
作業の前提となる環境と画像データの基本をはじめ、撮影から補正までの現場での流れに基づいた
人物に特化した写真の現像・画像操作の解説、各シチュエーション別のテクニックなどを紹介しています。
現場で仕事をこなせるようになるための必須の一冊です。
ね、ワクワクしませんか?
ということで今回はここまで
被写体をHAPPYにするのが、写真の第一義。
ポートレートは優しい気持ちで取り組んでいけたら素敵だな、って思っています(*˘︶˘*).。.:*♡