写真にはモデルのポーズがとても重要です。立ちポーズは本当に難しく、技術が詰まったものでご馳走と呼べるんじゃないでしょうか。ハイファッションがたくさん掲載された雑誌などは、もうどのページもハイレベルなモデルの技の連続でキラッキラに見えて時間を忘れてしまいます。
さて今回はそんな立ち姿の写真。私が撮影したものから4枚選んでみました。実はすべて105mmの焦点距離で撮影したものです。中望遠推しな理由はまた別の機会に記事にします♪
極限まで演出を排除したポーズの魅力
技や演出を期待されるかもですが、一番好きなのが素で立っているかのように見える状態。素立ちの状態、ニュートラルな状態こそモデルの力量や可能性が見える、と考えています。
また自然体っぽく見せるためには、多くのノウハウや技術が必要なので、「自然に立てるモデル」というのは、経験と力を兼ね備えた存在だと言えます。モデルの面接をする際、歩く姿とこのポーズでおおよその判定ができちゃうと、私は個人的には思っています。
「Aラインくださーい」で、この1枚。
遊び心の多いトップスだけど自然体ぽく着こなすことで、閲覧する側に余白を残し、自由な想像を広げる余地を残しました。
なので、この絵が次のモーションへスムーズに連想してもらえるキッカケとなるよう、ゼロ地点的な構成にしました。
仕草を加えてキャラの性格を表現するポーズ
次は、ポケットに手を入れることで、ポーズに加えて「キャラ」が出てきます。ポーズにはその人物の個性やキャラが宿るものだと思っているので、ポーズ指示は相手の個性を読んだ上でマッチしたものをリクエストしたいですよね。洋服を選ぶような流れに似ていると思います。
ラフにポケットに手を入れつつも、片足は絶妙に宙に浮かせるあたり技が見られて、「やるううう!!」って感じ。撮りながら、「そこまでやってくれるか、こっちもきちんと撮りもらさないでいくぜええええ」って気持ちになりますよね。
ファッションポーズから生き様やキャラが見えるポーズ
自分の場合、ここぞ!の決め画は、「動きながら撮る写真」と、「止めて撮る写真」の2タイプがあります。それぞれの良さがあるのですが、ここは彼女に合わせて後者に。
頭、表情、肩、左右の腕、胸、腹、腰、左右の脚、踵・つまさき、、と確認ポイントが多いのもフルショットの楽しさであり難しさ。
それぞれがどうあるべきか、というのは初心者の頃はてんで分からず、明後日の方向でのオーダーをしてしまってたなーって反省も...
モデル 星野くるみの場合は、そこはさすがファッションオタクにしてポーズオタク。各所の動きについての知識は彼女に敵いませんから、大まかなオーダーを渡し(意図も伝えたほうが完成度はあがる!)、それをもとにクリエイトしてもらうといった流れで撮影。
ライティングに目が行きますが、だからといって本筋のポーズが「あちゃー」だと画がずっこけるので気が抜けません。
このポーズの各所に彼女の生き様やテーマ、好みが埋め込まれている、、と聞くと色々考えちゃいますよね。彼女は満足仕切らない戦いを続けているので修正したい点もあるだろうな。
ちなみに私と彼女は、日常的にそういう話をずーっとしています。
そういう関係が10年超えました、、変わってますよね(笑)
本人のキャラクターにフォーカスしたポーズの魅力
最後の1枚は16:9の横フレ。
ポーズに注目して進行してきましたが、表情を大きく取り入れたことで身体のフォルムに加えて、彼女自身の表情からもたらされる感情や個性などが加わって印象が変化すると思います。
形としての美から、その本人・個性への魅力へとチャンネルを変化させました。
どういう性格で、どんな考えをもった人なんだろう。そういう印象を写真をキッカケに思ってもらえたらいいなと思って切り出しました。とはいえ、彼女のポーズへの妥協なアクションはこの写真にも多くの見どころを残しています。
その箇所を間違いさがしのよう楽しみながら巡ってみていただけたら嬉しいです。
モデルの立ちポーズは写真において不可欠な要素であり、そのポーズの選び方や表現によって個性や魅力が浮かび上がります。
演出を排除したシンプルなポーズから、仕草やファッションポーズを取り入れてキャラクターを表現する方法まで、4つの写真を通して様々なアプローチをご紹介しました。
シンプルな背景での撮影はやっぱり楽しい。
モデルのパフォーマンスを最大限に発揮できるので、優れたポーズ能力や表現などを存分に活かせて最高!
ポートレート界隈ではあまり多くないシーンかもだけど、ホリゾント系の撮影は技術を要求される楽しいシーンです。
ぜひ、あなたの審美眼でより素晴らしい写真を生み出してください。
そして、よかったらうずらフォトにも遊びに来てくださいね!
おしまい(ヽ´ω`)