【撮影日報】ハウススタジオは引き算を求めるのだとわかった

うずらフォトは背景紙からスタートした撮影会です。

背景紙との出会いは、そこから更にもう少し時間を遡ることになりますが、ともかくK山の人物写真とのスタート地点は背景紙でした。スタジオと照明という環境からはじまります。

このことから、人物をより魅力的に写すためにはアングルや距離、そして光、現像・レタッチというものが重要で、モデルを現実の世界である3次元から、写真という平面世界である2次元へコンバートする作業を意識することがとても重要になると判断していました。

本来カメラが好きになれば、その写すための道具としての機材への関心が強まるのですが、上記のような流れから機材への愛は照明に偏り、それ以上に眼前に立つモデルの顔・形、そして特性や弱点というものと向き合い、どう活かし、フォローするかという考えが先立ちました。

そして現場でフォローしきれなかった要素を、後処理(ポスプロ)としてPC作業でリカバリーする、という当然といえば当然のワークフローにたどり着きます。

そんなうずらフォトが、背景紙やホリゾント以外の屋内スタジオで撮影会を開催することが年々増えました。カメラマンのニーズに応えるということが第一の理由です。

背景紙や白ホリと比べ、背景の情報が過多なためターゲットとなる人物が浮き上がり難いケースにも直面します。状況を述べる雰囲気写真ならば背景と溶け込むようなシーンも有りだと思いますが、そればかりでは写真集は完成しません。(私はセッションを写真集制作と捉え、常に脳裏でその写真集の撮影状況を更新しながら撮り漏れのないよう意識しながら進行しています)

そうなると登場するのが引き算です。

壁面に描かれた目玉と赤色が印象的なフリーメゾンさんですが、それらを写すターンと、そうでないターン。引き算が重要になってきます。

その他、ソファや窓をはじめ、その雰囲気・印象を構成する質感や色、そういったものを切り取ることで写真で見た場合、その写真を見る人(自分はこれをお客と呼びます)が、その雰囲気に浸るのに邪魔な存在はないか、とても重要視しています。

そのための引き算です。

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写真をパッとみた際、まずはこの引き算に不足はないか。探します。
※おそらく大勢の方がそうであると思いますが

引き算しきれていない写真を見た場合、その主題である人物へ意識が及びづらいと思います。
だから主題を支えるために周囲もくまなく見ましょう、と現場ではお節介を承知で声を枯らしています。

そんなフリーメゾンさんでの撮影会でした。


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